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アイヌ語の表記と発音

 アイヌ語には文字がないとよく言われるが、それは正しくない。正確を期するなら、かつては文字表記の習慣がなかったと言わなければならない。1923年には、アイヌ語の母語話者である知里幸恵がヘボン式ベースのローマ字で「アイヌ神謡集」を書いているし、その後も知里真志保、山本多助など、大勢の人が仮名やローマ字を用いた表記法を考案してきた[1] [2] [3]。このように、アイヌ語には90年以上の文字表記の歴史があるのである。
 現在主流となっているのは、仮名とローマ字を併記する方式である。これは、1994年に北海道ウタリ協会(現アイヌ協会)が編んだ学習書「アコロ イタク」で用いられた表記法だ[3] [4]

 ここで、アイヌ語の具体的な表記と発音について簡単に説明してみたい。表記法は、「アコロ イタク」式のローマ字を用いる。

 アイヌ語には、5つの母音(a, i, u, e, o)と12の子音(k, s, t, c, n, h, p, m, y, r, w, ')が存在する。
 母音のうち、a, i, e, oの4つは日本語の「ア」、「イ」、「エ」、「オ」とほぼ同じ。一方、uは円唇母音[u](口を丸めた「ウ」の音)である。
 k, t, c, n, h, p, m, y, r, wは、それぞれ日本語の「カ」、「タ」、「チャ」、「ナ」、「ハ」、「パ」、「マ」、「ヤ」、「ラ」、「ワ」の子音とほぼ同じ。
 sは、音節末とiの前では[ʃ]、それ以外では[s]となる。
 「'」は喉頭破裂音であり、語中で子音と後続する母音が区切って発音される場合のみに表記される[5]

 アイヌ語の音節は、「(子音)+母音+(子音)」という構造で成り立っている。服部四郎、村崎恭子などは、母音で始まる音節を認めず、母音の前に「'」が存在するという立場にある[6] [7]。一方、中川裕などは母音始まりの音節を認めている[8]
 また、音節末には-k, -s, -t, -n, -p, -m, -y, -r, -wの9つの音素が立つ。

 さて、ここまでアイヌ語の表記と発音について述べてきたが、これは北海道方言のものである。同じアイヌ語でも、北海道と樺太では発音に若干の違いがある。例えば、樺太方言には、北海道方言にない母音の長短の区別が存在する。また、樺太方言の音節末子音は-s, -n, -h, -m, -y, -wの6種類と、北海道方言より少ない[7]

 以上の内容は辞書や学習書にも記されているものである。詳しく知りたい方は、適当な本を参照していただきたい。また、アイヌ文化振興・研究推進機構のサイトでダウンロードできるラジオ講座のテキストにも書かれている。こちらは無料だ。


[1] 「アイヌ神謡集」 編訳:知里幸惠 岩波文庫
[2] 「アイヌ語をフィールドワークする」 中川裕 大修館書店
[3] [少しくわしく] アイヌ語の文字と表記
[4] 「アコロ イタク」 社団法人北海道ウタリ協会
[5] 例:hioy'oy(ありがとう)。「ヒオヨイ」ではなく、「ヒオイオイ」と発音する。
[6] 「アイヌ語方言辞典」 編:服部四郎 岩波書店
[7] 「樺太アイヌ語入門会話」 村崎恭子 緑鯨社
[8] 「アイヌ語千歳方言辞典」 中川裕 草風館

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 「新しい日本語の書き方」のようなスレは追い出そう (言語学板

1 名前: 名無し象は鼻がウナギだ! 投稿日: 2011/03/10(木) 21:01:43.37 0
ここは「言語学板」なんだよ

日本語をカナ・ローマ字・神代文字で表記しようなんてスレが
この板の上位にあるのはおかしいんだよ
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