学問がすべて

つまらないは正義

創作物

漫画のキャラは白人ではない


 今や、日本の漫画やアニメは世界のあちこちへ輸出され、多くのファンを生んでいる。
 しかしながら、日本の漫画やアニメは、必ずしも外国で正しく理解されているとは言えない。日本の漫画やアニメは必ずしも輸出を前提としたものではないので、日本文化や日本社会、その他国内の常識や価値観が説明なしに登場する。そのため、輸出先で混乱や誤解を招くことがあるのだ。続きを読む

役割語としての片言日本語と野放しの偏見


 役割語と翻訳、「外国人」のステレオタイプに関する読み物をいくつか紹介

 「外国人の役割語」には、主なものが2種類ある。1つは、外国語での発言を翻訳する際の言葉づかい、もう1つは、外国人キャラが日本語で話す際の言葉づかいだ。田川氏が挙げているものを例にすると、「女性の言葉を変に翻訳するのをそろそろやめてほしい。」で話題になっているのは前者、「コレモ日本語アルカ?」(金水敏 岩波書店)で主に扱われているのは後者だ。
 同じ「外国人の役割語」であっても、この2つは別物だ。前者は母語での発話を翻訳したものであり、後者は第二言語での発話で、なおかつ翻訳されていないものである。ごっちゃにしてはいけない。続きを読む

「わかば*ガール」における役割語と属性表現


アニ
@gorotaku

ドラゴンボールは「主人公は標準語」の稀な反例に見えるけど、あれって連載開始時はむしろブルマが主人公ポジションにいたってことかもね / “役割語と翻訳、「外国人」のステレオタイプに関する読み物をいくつか紹介 - 思索の海” http://htn.to/bwQxu2

4:00 - 2015年9月18日

 主人公が<標準語>を話さない作品といえば、最近のものでは、「わかば*ガール」(原悠衣 芳文社)がある。この漫画の主人公、小橋若葉はお嬢様という設定であり、(1)~(2)のような典型的な<お嬢様言葉>を使う。

(1) ごきげんよう~ (p.3)

(2) 第一志望はそこでしたわ (p.4)
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昔の伝記

 最近の伝記まんが

 子供向けの伝記漫画で「シブい」人選をするようになったのは、別に最近のことではない。
 例えば、上のまとめの先頭は円谷英二の伝記だが、1996年にはすでに小学館の「学習まんが人物館 円谷英二」が発行されている。今から19年前だ。「最近」で括るのは少々苦しかろう。なお、小学館の「学習まんが人物館」には、手塚治虫、植村直己、本田宗一郎、ローラ・インガルスなどの、いわゆる定番でない人物の伝記も含まれている。
 また、漫画ではないが、講談社の「火の鳥伝記文庫」では、前世紀から、ディズニー(1987年)、徳川光圀(1990年)、植村直己(1990年)、手塚治虫(1991年)、ノストラダムス(1994年)などの、「シブい」人物の伝記を出していた。

 昔からあるものを、あたかもついこの間誕生したものであるかのように語る人が多すぎる。

ライトノベルの主人公のラ行率

 これは、元々2013年5月25日の記事に書かれていた内容を独立させ、それに追記したものである。

 標準的な日本人名のラ行率が33~43%であるのに対し、和製洋風ハイファンタジーの登場人物の名前のラ行率は約63%と、日本人名よりはるかに高い。しかしながら、現実の英語圏の人名のラ行率は71~81%と、和製洋風ハイファンタジーの登場人物のそれよりも高い。つまり、和製洋風ハイファンタジーの登場人物の名前は、モデルである現実の西洋人の名前と比べて、決して「ラ行だらけ」とは言えないのだ*

 では、現代日本人キャラの名前のラ行率はどうだろうか。

 サンプルにしたのは、2013年2月17日2013年5月25日2013年10月20日の記事でリストアップしたライトノベルの主人公82人のうち、本名不明のキョンと三号を除く80人の名前だ。

 ライトノベル主人公80人のうち、名前にラ行が含まれるのは41人。ラ行率は約51%だ。すなわち、ライトノベルの主人公の名前のラ行率は、現実の日本人名の値を上回っているということになる。
 現代日本人キャラと洋風キャラ、前者は主人公のみだが、後者はそうでもないという違いこそあれ、ラ行率が現実の人名よりも高いのは、意外にも前者なのだ。


* 和製洋風ハイファンタジーの登場人物のラ行率
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